建具メイキング - 障子 - |
「障子」は木と紙により造りだされる。この国、日本の文化を代表する建具の一つです。
「障子」が生み出されていく、工程を楽しんで下さい! |
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Step 1 材 ■ Step 2 製造工程 >> Step 3 桟 >> |
私たちの仕事場でもっとも多く使われているのがスプルースです。スプルースはほぼ一世紀にわたって使われてきました。スプルースは、材として加工しやすいうえ、木目が白く気品があるのが特徴です。その一方で、木頭杉など地元の杉を使ってほしいとの注文主のご依頼もあります。地元の杉(地杉)は、赤っぽく節があって材質がやわらかいのですが、その紋様が織りなす外観が独特のたたずまいがあるためです。(写真1/スプルース材と地杉)
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加工前の大切な作業として「乾燥」があります。障子が狂いにくいためには、十分な自然乾燥が必要です。そのため、どこの建具屋の庭先にも天日で乾燥中の木材が積まれています。南国徳島の太陽の下で含水率をコントロールし、初期性能ができるだけ長く使えるよう配慮されています。
「木取り」は、製材された板から部品にカットする作業です。一見なんでもないように見えますが、この作業が仕上がり品質を決定します。美しい木目を同じ色調で揃えて美しく仕上げたいという心意気と、貴重な材をムダにしない(歩留まりをよくする)という相反する要素を解決しなければなりません。そのため、どこの建具屋でも、木取りは親方の重要な仕事とされてきました。それは今も変わりません。(写真2/木取り)
親方がカットした部材は鉋盤(かんなばん)で表面をなめらかにし、なおかつ2面の直角を出す機械にかけられ、木造りを行います。木造りには精度が要求されます。
そのあと墨付(すみつけ)を行いますが、この墨付で障子の善し悪しが決まると言っても過言ではありません。家を建てる大工さんは墨付で直線を引きますが、あれと同様に障子づくりにおいても、木の性質を熟知しなければならない熟練が必要な工程です。(写真3/墨付、写真4/墨付で引いた線)
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このあと本体(桟)は、鴨居と敷居に、がたつきなく入るように加工され、手鉋で仕上げられて桟との合体を待ちます。(写真5) |
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桟を複雑に組み合わせる作業を組子(くみこ)といいます。組子には、さまざまなデザインがあり、微妙な角度で結合されているもの、わずかなずれが命取りとなるような精巧な仕上げが要求されるものがあります。最近では、この複雑な成形をNC工作機械(コンピュータプログラム)に任せて行う場合も増えてきました。(写真6/NC工作機によるさまざまな工作パターン)
組子と桟を合体させると、いよいよ障子の原型が見えてきます。しかしまだまだ完成ではありません。
熟練された職人が手鉋(てかんな)を充てています。組み立てが終わった障子は、どうしても部材と部材の結合部分に0.1o前後の段差ができます。その段差をなくすために鉋を使った手作業による微妙な修正を行います。それをメチバライといいます。木には、逆目(さかめ)という木目があり、機械では表面を整えることができないこともその理由です。(写真7、8/手鉋による整形)
手鉋によって、うっとりするほどなめらかな表面に仕上げることもできます。すべるような建具の開け閉めは、こうした職人芸に支えられているのです。手鉋が満足にできれば一人前ですが、それには10年から
20年かかるという人もいます。
このあと、検査を経て本体が完成します。さらに障子紙が貼られて、皆様の住居に備え付けられます。
建具は手入れによって長持ちします。簡単な方法ですので、ぜひご覧ください。
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